こだわる米作り

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その1  谷川連峰の清らかな水と従来コシヒカリ!

豪雪地帯・新潟県湯沢町にそびえる、名峰「谷川岳」。
連なる谷川連峰の山々から滔々と流れ入る水質の良い雪解け水が、春から夏季まで田んぼの用水として豊富に流れ込みます。
そのミネラルたっぷりの雪解け水や自然の清水を用い、愛情たっぷりに育てたお米です。
 


魚野川の清流

 ファームいずみやでは、「従来コシヒカリ」と呼ばれる昔ながらのコシヒカリを栽培しています。

【従来コシヒカリ】
平成17年産以降、新潟県では耐病性に優れたと言われる「コシヒカリBL」が奨励品種になりました。
そのため、それ以前のコシヒカリ(従来コシヒカリと呼ばれています)の種子は、新潟県では手に入らなくなりました。
 

コシヒカリBLは、多数のBL品種のうち4品種を混合して栽培している品種です。混合している為「いもち病」への対抗性を持っています。
BL品種は数年毎に品種構成を変え、新たないもち病の菌が現れないよう栽培しています。

詳しくは新潟県のBL品種についての説明をご覧下さい。
「新潟県 コシヒカリBLの開発状況と特性」をみる。

 ファームいずみやでも、平成17年度は全作付けを「コシヒカリBL」に切り替えました。
当初の4品種が天候不良などの影響もあってか、生育と登熟が思うように行かず収穫時期を迎えても稲穂の多くが青いままの状況でした。
いわゆる「黄金色」にならないまま刈り取りを迎え【全作ともに2等】という品質低下の結果になりました。
 

父親は湯沢に移住してきてから30年来米作りをして来まして、
それまでは全て1等のお米を作っていました。
それが米作りの自信となっていたのですが、
コシヒカリBLで初めて2等になり、
「このお米は作りたくない。従来コシヒカリの作付けに戻したい」と
仕入れ先や取引先と協議して、従来コシヒカリに戻す事になりました。

 

ファームいずみやが、従来コシヒカリを栽培し続けるのは、生育が安定していることがあげられます。
新潟県産コシヒカリの品質低下が叫ばれておりますが、当社のコシヒカリは刈り取り後の等級検査で毎年1等を頂いております。
コシヒカリBLとは違い「いもち病」への抵抗が少し弱いため、手間がかかりますが、
手間をかけたおかげで美味しいお米にできあがるのでは無いかと思っております。

その2  プール育苗と深水栽培への取り組み

 
「苗半作」と言われるほど重要な苗作り
 
育苗期は、当地では数少ない露地プール育苗をしております。
よく見るビニールハウスに比べ、ハウスを建てる手間暇がなく、
省力化と共に
病害の発生が少なく品質が安定することから取り入れております。
 
その育苗期間に使われる水も、水路からの雪解け水を苗代に直接流し込んで育てております。
 
 
プール育苗

 
苗の生育状況
 
苗作りのこだわりは育苗日数を30日ほど掛けて「中苗」と言われる
葉齢4葉から5葉前後、草丈15センチ程度の苗を作る事です。
 
一般的な「稚苗」も良いのですが、
育苗日数が20日前後と短く、根の生育が短いため、
移植(田植え)後に水温などによりダメージを受けることが見受けられます。
 
育苗日数を多くすることで、根の張りを多くさせて、
植え付け時のダメージを少なくして、早く活着することを期待しています。

 
 
当方の田植え時の苗ですが、
土の中の毛根量(白いものが全て根です)が大変多いです。
 
種籾の浸種時に使用する玄米黒酢のアミノ酸による作用や
微生物発酵有機物「ネバルくん」がもつ
毛細根の発達の促進作用により根が活性化した結果だと思います。

  
苗の根張り
1株の生育状況
 

 田植えは「疎植」栽培をしております。
一般的な植え付けより、間隔を広くして植えることを言います。
 
間隔を広くすることで、光や風を一つ一つの株が十分に受ける事により、
稲株が大きくどっしりとした土台のある健康的な姿になります。
 
また中期深水栽培をしています。
一般的には「中干し」と言われる時期に、
逆に10㎝程度に深く水を張る事により、
稲株が扇型に大きく開張します。
受光体制を取ることで、「どっしり」とした稲になります。

その3  玄米黒酢を使ったお米作りへの取り組み

 
 『人に良ければ、植物にも良い』という想いから平成26年産から取り入れた玄米黒酢農法です。
きっかけは生育途中の稲を見ていて、窒素の消化がうまくいっていない状況を見ていたこと。そしていつも稲を今以上に丈夫に育てる方法が何かないだろうか?と考えていた時に、友人と話していた際に「玄米黒酢」というキーワードを聞きました。
本を購入して読んだり、玄米黒酢の製造元である『石山味噌醤油株式会社』の担当の方から詳しい資料を取り寄せるなど研究をした結果、取り入れる事を実現しました。
 
 

玄米黒酢の使用状況

1、育苗期

1,000倍液を流し込み 2回

2、分けつ初期・幼穂形成期

100倍液を10リットル流し込み

3、出穂後

200倍液を動力散布機にて散布

 


玄米黒酢

玄米黒酢の効果

酢酸

植物に吸収されるとクエン酸となり、植物内にあるTCA回路を活性化して光合成を活発化させて元気にさせる

アミノ酸

グルタミン酸、アスパラギン酸など旨味を増す作用がある。また土壌内の有用微生物の繁殖を助け、根の根圏(根の広がり)を促す働きがある

カリウム

葉の気孔を開き、大気中のCO2の取り込みを促進して、光合成の活性化を促進。

 
黒酢散布中

 取り組みを始めて、この玄米黒酢を使った方法は目指す米作りに合うと思いました。
使用する玄米黒酢は、食用として口にするものと同じものが使われています。
散布作業をする時に、他の農薬だと顔に掛かるとイヤな思いになりますが、玄米黒酢は顔に掛かっても酢の匂いを感じる程度ですので問題ありません。そこの安心感が違います。
また玄米黒酢で作られた元気になり、含まれている各種アミノ酸の効果により甘みのある美味しいお米にしてくれると感じています。
 

その4  化成肥料と有機質肥料のいいとこ取り

当地は雪解け水を用水として使っています。
春先の水温が上がらない時には、初期生育を助ける目的で化成肥料を使います。
 
その後の生育過程においては、有機質肥料やボカシ肥料を使っていきます。
また出穂と登熟期に味を良くすると言われている微量要素の「ハイグリーン」を散布してミネラル分を補給します。

28年・29年産では、「菌が耕す菌耕農法」に興味をもち6つの田んぼにて試験的に資材「アスカマン21C」を投入しました。
田んぼの土の中ではさまざまな菌がいろんな働きをしています。これを作物に効率よく養分を供給して、土壌中の微生物の菌相を著しく改善し、その結果減肥や減農薬に繋がると言われておりますので取り入れました。
少しずつ今後も続けていきます。

特徴ある肥料達